「朝食をしっかり食べなさい」
誰もが幼少期から言われてきたセリフだと思います。朝食をしっかり摂ることが健康に有利であることは暗黙の了解として知られています。
一方で、空腹状態の方が集中力を含めたパフォーマンスが向上するとのデータ、起床後朝の時間に集中力が高まるとのデータもあります。
これらを加味すると朝食をとらずに空腹状態で作業をした方が能率が上がるのでは?とも思えます。
この記事では朝食欠食が身体に与える影響、午前の集中力を最大化するために必要な朝食の考え方やおすすめの食品について解説していきます。
朝食はパフォーマンスに影響を与える?
まず朝食について一般的に言われていることについてまとめていきます。
農林水産省によると、朝食は、脳のエネルギー源であるブドウ糖の補給のために大事だとされています1)農林水産省/朝ごはんを食べないと?。
ブドウ糖は体内に大量に貯蔵しておけず、食事後すぐに不足状態になります。
起床後は夜に食事をとった時間から比較的長時間経過しているためにエネルギー欠乏状態に陥ると指摘されています。
そしてこの脳のエネルギーの欠乏状態が集中力の低下や疲労感につながるとされています。
朝食は摂るべきなのか?
それでは朝食はしっかりと摂るのが重要なのでしょうか?
結論から言うと、パフォーマンスの観点では、「しっかりとした」朝食の摂取の必要は必ずしも必要ないというのが見解です。
ここでいうしっかりした朝食とは、一汁一菜が揃っているなど一般的にバランスのいいとされる重めの朝食のことを指します。
しっかりとした食事をとれば、それだけ満腹感も高まり、眠気などの症状を誘発する可能性が高くなります。集中力の観点ではむしろ良くないとも言えます。
ただし、朝食を完全に抜くことは推奨しません。
朝食を食べない人は食べる人に比べて便秘の割合が高い2)生活指導,食事指導,プロバイオティクスは本当に有効か? 日本内科学会雑誌第108巻第1号 p22~28,2019、うつ傾向が強い3)広瀬 歩美 大学生における朝食欠食の現状把握および欠食開始時期と現在の心身や生活習慣状況との関連の検討:学童期・思春期からと大学生からでの比較 聖学院大学論叢30-1 p55-63などの影響が指摘されています。
朝食を抜くことによる生活習慣の乱れや健康へのリスクについては自覚しておいた方がいいでしょう。
また、朝食を完全に抜くことはこうした健康上のリスクが高い上に、昼食時の血糖値の急上昇(グルコーススパイク)や、空腹で集中できない状況につながります。
血糖値については以下の記事を参照してください。
そして集中力の観点では、朝食後は起床後30分~数時間の間に集中力が高まりクリエイティブな思考が働くとされています4)メンタリストDAIGO 「自分を操る超集中力」 かんき出版。
アップルのCEOティム・クックなど世界の有名なリーダーたちも早起きを習慣とし、朝の時間を仕事に当てているようです。
そういう意味で、個人的には朝食は簡単に済ませるというのが集中力を働かせる上で良い選択肢だと思っています。
どんな朝食を摂るべき?朝食におすすめの
ここまでは朝食は軽めに摂るのがいいと説明してきました。
それでは朝食にはどのような物を食べたらいいのでしょうか?いくつかのおすすめを紹介します。
バターコーヒー
https://otonasalone.jp/30850/より引用
バターコーヒーはデイヴ・アスプリー「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」(ダイヤモンド社)で紹介されていた飲み物です。
コーヒーにグラスフェッドバターとココナッツオイル(MCTオイル)を入れ、撹拌して作ります。
まろやかな口当たりで、飲み物としておいしいので筆者も愛飲しています。
コーヒーに入れるだけでバターコーヒーが作れるギーも販売されています。
また、朝のコーヒーは、カフェインの作用で交感神経が刺激され、集中力を高めるのにも有効だと言われています。
バナナ
https://dime.jp/genre/788265/より引用
一時期「朝バナナダイエット」が流行りましたが、バナナを朝食として摂取することはパフォーマンスの観点から見ても理にかなっているようです5)https://townwork.net/magazine/life/27945/。
バナナは栄養補給がしやすく、エネルギーの観点で即効性と持続性に優れています。
バナナは「しあわせホルモン」と呼ばれるセロトニンの材料とされるトリプトファンを多く含み、副交感神経に優位に働きリラックス効果をもたらすとも言われています。
単体で食べるよりはコーヒーなどカフェインと一緒に摂取するとお互いの効果がバランスされて、良い効果がありそうです。
おまけ 低GI食品
少し広いですが、集中力の維持には血糖値をあげないことが重要です。
この血糖値をあげない食べ物については低GI食品と言われるものがオススメです。
低GI食品については以下の記事も参照してください。
よく朝食として食べられている主食としてご飯、パン、コーンフレークなどがありますが、コーンフレークはGIが高いのでおすすめはしません。この中だとご飯がいいでしょうか。雑穀米・玄米などだとなお良いと思います。
まとめ
この記事では朝食欠食にまつわる一般的に言われているリスクについて解説し、軽めの朝食の推奨、そのためのおすすめの朝食についてお伝えしました。
朝食をどれくらい食べればいいのかについては個人差があるのも正直なところです。
自分にあった朝食スタイルを見つけて朝食後のゴールデンタイムをフル活用したいですね。