カフェインは創造的な思考には効果がない? 最新研究から考えるカフェインの摂取のコツ

カフェインは創造的な思考には効果がない? 最新研究から考えるカフェインの摂取のコツ

集中を高めたいときに摂取するもので真っ先に思い浮かぶのがカフェインという方は多いでしょう。

ポピュラーなコーヒーをはじめ、最近ではエナジードリンクなども人気を集めています。

今やカフェインは作業のお供に欠かせないものになっています。

一方で、最新の研究によると、カフェインによって得られる集中力の向上は、創造的な思考には当てはまらないとの結果が出ています。

この記事では、この研究の結果を紹介し、集中の上でのカフェインの効果的な摂取方法を見ていきます。

カフェインの摂取は、創造的な思考には不向き??

カフェインのイメージ
今年出された最新の研究では、カフェインがパフォーマンスに与える影響について、「創造的な思考・作業」を対象とした場合の結果を報告されています。1)Darya L. Zabelinaa, Paul J. Silvia “Percolating ideas: The effects of caffeine on creative thinking and problem solving” Consciousness and Cognition 2020

研究における実験の内容

実験では、カフェインのカプセルを摂取する群と、プラセボ群(カフェインと言いつつ、カフェインが含まれていないカプセルを摂取する群)に分け、創造性が必要とされるタスクについて、そのパフォーマンスを比較しました。

実験では、作業内容を以下の3つのカテゴリに分け、それぞれ比較しています。

  1. Convergent Thinking(収束思考)
  2. Divergent Thinking(発散思考)
  3. Working Memory(ワーキングメモリ)

実験結果

実験では、発散思考とワーキングメモリに関する作業(創造的な思考を伴う作業)について、二つの群の間では有意な差が見られない結果になりました。

カフェインを摂取した側でパフォーマンスが下がったわけではなく、悪影響が見られたというよりは摂取の有無と関係がない結果になりました。

一方で収束する思考については、有意にカフェインを摂取した群でパフォーマンスが上がる結果が得られました。

結果に差が見られなかった点については、カフェインの摂取量を増やすこと、作業のアウトプットとして量ではなく質に注目することで差異が見られるようになる可能性が示唆されています。

一方で実験結果を支持すると、カフェインの摂取により効果が得られるのは、収束的な思考を伴う作業であると言えます。

創造的なパフォーマンスを高めるためには?

創造的なパフォーマンスのイメージ
実験ではカフェインは創造性には効果がないことが示唆されました。

それでは創造性を高める食べ物・飲み物はあるのでしょうか?

ブルーベリークルミなどの食べ物が2)Dropbox Business「砂糖と脳の関係:間食の種類が創造性に与える影響」”https://navi.dropbox.jp/sugar-brain”有効であるとも言われていますが、創造性については食事以上に、場所や人間関係など他の要素が大きく関係するようです。

例えば、天井の高い空間の方が創造的な思考に向いている、瞑想などを通していったんタスクから離れることでセレンディピティ(予想外の発見)が生まれやすくなるといったことが知られています。

このように創造性に関わる要素は多いため、食事だけでコントロールするのは難しいです。

そうすると、創造性にコーヒーは無関係という結果は悲観すべき結果ではないような気がします。

やはり収束的な思考にのみ効果があるといってもカフェインの重要性は無視できないでしょう。

集中力を高めるためのカフェインの適切な摂取

摂取量のイメージ
集中力と食事を考えるときにやはりカフェインは欠かせないと言えます。

それではカフェインはどのように摂取するのが効果的なのでしょうか?

ここでは一般的に言われているカフェインの適切な摂取について紹介します。

カフェインの適切な摂取量

食品関連のリスクを取りまとめているヨーロッパのEFSA(European Food Safety Authority)によると、カフェインの安全な摂取量は200mg/日とされています。
(一方で400mgまではリスクは低い、100mgでも睡眠に影響を与える可能性があるなどとも報告されています。あくまで目安と言えそうです。)

コーヒー一杯(200ml)に含まれるカフェインが90mgとされているので約2杯程度が基準といえるでしょう。

カフェインのサプリメントも基本的にこの200mgの量に合わせているものがほとんどです。

コーヒーが苦手な方はこうしたサプリの摂取を検討してみてもいいでしょう。

カフェイン摂取の適切な時間帯

カフェインの摂取の時間は14時以降にはとらない方がいいことが一般的に言われています。

また、アメリカ陸軍開発とされるカフェインの摂取時間をシミュレーションが可能な「2B-Alert」というサービスもあります。

無料の会員登録が必要で、少し取っつきにくい仕様ですが興味のある人は試してみてください。

まとめ

この記事では、カフェインの摂取は創造的な思考には影響を与えないという最新研究を取り上げ、創造的な思考に効果のある食べ物、集中力を高めるためのカフェインの摂取の仕方について紹介しました。

カフェインはとりすぎによる悪影響がしばしば話題になりますが、適切な摂取量を守れば、交感神経を刺激し作業の集中力を高めるのに効果的です。

カフェインの適切な摂取を学んで日々の集中に生かしてみてください。

References

References
1 Darya L. Zabelinaa, Paul J. Silvia “Percolating ideas: The effects of caffeine on creative thinking and problem solving” Consciousness and Cognition 2020
2 Dropbox Business「砂糖と脳の関係:間食の種類が創造性に与える影響」”https://navi.dropbox.jp/sugar-brain”

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