目標設定について調べているとアファーメーション(アファメーションとも)という言葉をよく見かけます。
アファーメーションは簡単に言えば、肯定的な宣言です。
自分自身でポジティブな暗示をかけることによって目標の達成に近づくとされています。
この記事ではアファーメーション、それと対照的な概念としての「予言の自己成就」について説明し、自己暗示と集中力について考察します。
アファーメーションとは
アファーメーションはパーソナルコーチングの大家だったルー・タイス氏が目標達成プログラムの中で用いたとされる手法です。
認知心理学者の苫米地英人氏によって日本でも認知がされるようになったもののようです。
別の論文では自己暗示療法の生みの親と言われるエミール・クーエ氏の「意識的自己暗示法」の発展であるとも捉えられています1)志水一夫 「アファメーションの心理学と超心理学」第38回 日本超心理学会大会研究発表抄録 超心理学研究 第10巻 第1・2号 2005年。
アファーメーションとは「私は幸せな生活を送っています。」といったように肯定的な宣言を現在形で成就しているように宣言する手法を指します2)https://conlabo.jp/%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%91%B3-3668/。
ナポレオン・ヒルの大ベストセラー「思考は現実化する」などでも同様の宣言めいたものが推奨されています。
予言の自己成就
一方で、主にネガティブな状況の事前の規定が不都合な結果を招いてしまうという社会学の概念に「予言の自己成就」があります3)鹿又伸夫「”予言の自己成就”と合理性 ブール代数分析による思考実験」社会学評論47 2・2 p156-p170。
例えば、以下のような例が挙げられます4)鹿又伸夫「”予言の自己成就”と合理性 ブール代数分析による思考実験」社会学評論47 2・2 p156-p170。
失敗すると思いこんだ受験生は、勉強に費やす時間のほかに多くの時間を思慮に費やしてしまうため結果として失敗しやすくなる
こちらは先ほどのアファーメーションと対照的な概念と言えますね。
自己暗示と集中力
それでは自己暗示は目標の達成や、目標に向けた遂行過程における効果があると言えるのでしょうか?
因果関係や論理的な連関については正直なところ特定が難しいと言えるでしょう。
実際、先述の予言の自己成就に関しても、ネガティブな状況の規定を前提としなくとも合理的な説明が可能である可能性が示唆されています5)鹿又伸夫「”予言の自己成就”と合理性 ブール代数分析による思考実験」社会学評論47 2・2 p156-p170。
またいずれにせよ目標設定などは必要になってくるでしょう。
目標設定についてはこちらの記事で説明しています。
まとめ
この記事ではアファーメーションについて取り扱いました。
個人的にはこうした精神論が持ち出されることが、集中法などを胡散臭くしている遠因でもあるとは思います。
一方で多くの成功者が語る通り、こうした自己暗示は効果があることが報告されているのも事実です。
また、実際に紙に目標を書いたり、達成した時のことをイメージすることによってパフォーマンスが上がることを何となく認識している人も多いと思います。
なにかスピリチュアルなもの、特別な魔法のようなものと捉えるのではなく目標を具体化するツールの一つとして捉え活用するくらいのスタンスが個人的には好ましいのではないかと思います。