午前の作業を終えて、お昼ご飯。
1日のなかでもくつろげる時間でランチの時間を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか?
ところがリフレッシュしたつもりで午後の作業に取りかかると、眠気で集中できない。。
そんな経験が誰でもあると思います。
以前の記事では、そんな時に思い切って寝てしまう方法を紹介しました。
この記事では、そもそも眠気が襲うのを予防し、午後の作業に集中するための食事のルールについて解説していきます。
午後の作業で眠くならない食事
お昼ご飯のカロリー摂取は適量?
オフィスの周辺にはご飯屋さんや、キッチンカーなど魅力的なランチがたくさんあります。
毎日なにを食べるのかを楽しみにしている人もいるかと思います。
しかし、ランチタイムの定食やお弁当などはボリュームが多いものがほとんどです。
これらのカロリーは適切なのでしょうか?
チェーン店の大戸屋のランチメニューはおよそ700kcal〜1000kcalです。カロリーが高めの唐揚げ定食では1200kcalを超えています。
(参考:大戸屋の定食メニュー)
農林水産省が発表している、成人男性の1日のカロリー摂取量の目安は2000kcal±200kcal程度です。
身体活動量が高い人(「立ち仕事、移動が多い仕事、あるいは運動習慣を持っている人」とされています。)であれば3000kcal程度まで許容とされているので、昼食で1000kcal近く摂取しても問題はなさそうに見えます(参考:実践食育ナビ 食事バランスガイド早わかり 農林水産省)。
実際、カロリーそれ自体は眠気や集中力への影響に密接に結びついているわけではありません(とは言えカロリーの多い食事は肥満の原因になるためカロリー摂取量には気をつかうべきでしょう)。
カロリーとは無関係!集中力を奪う血糖値の上昇
食後の眠気と関係があるのはカロリーよりも血糖値(血液内のブドウ糖の濃度)の上昇と言われています。
先にも書いたようにカロリーの高低と血糖値にはあまり関係がありません。血糖値の上がりにくい食べ物、上がりやすい食べ物があるだけです
(一方でカロリーが高い食べ物の多くが血糖値の上がりやすい食べ物なので注意は必要)。
次項では、血糖値と食べ物の関係を理解するために重要な「GI」の概念を説明します。
GIで血糖値が上がりやすい・上がりにくい食べ物がわかる
GIとは、Glycemic Index(グライセミック・インデックス)の略で、食品ごとの糖質の吸収しやすさの度合いを表す指標です。(参照:5分で分かる効果 (高カカオ)健康リスクを防ぐための低GI)
先ほどの血糖値の上がりやすさは、この糖質の吸収しやすさと一致します。GIの値は同量のグルコース(ブドウ糖)の摂取を基準としたパーセンテージで表されています。(参照:GI提唱者のDavid J. A. Jenkins氏の論文)
GIが高い(糖を吸収しやすい)食べ物を「高GI(食品)」、低い食べ物を「低GI(食品)」と呼びます。
食後の血糖値の急激な上昇を抑えるには高GI食品を避け、低GI食品を摂取するようにすればいいということが分かります。
ではどのような食品が高GI、低GIに当たるのでしょうか?
高GI食品はGI値が70以上のものを指します。56〜69の間のものが中GI、55以下が低GIです。
主な食品のGI値についてはこちらに詳しくまとめられています↓
International Tables of Glycemic Index and Glycemic Load Values: 2008
THE UNIVERSITY OF SYDNEY GI foods advanced research
これを見ると、高炭水化物の食品は一般に高GI、マメ類などは低GIにあたることが分かります。
日常で注意できるところだとご飯やポテトチップスなどのお菓子をなるべく食べないようにする、果物、大豆、そばなどを食べるようにするなどが対策として考えられそうです。
途中で空腹になる人は間食がおすすめ
ここまで血糖値を上げないようにすること、高GI食品の摂取に気をつけることをお伝えしました。
一番てっとり早くこれらを実現するには日々の食事を少し減らすのがいいかと思います。
しかしお昼にがっつり食べないと途中でお腹が減ってしまうという人もいると思います。
会議などでお腹が鳴ったりするのは恥ずかしい経験ですよね。
また、お腹が空いたなーと認識することで食べることに意識が向いてしまい集中できなくなることもあると思います。
こんな時に有効なのが間食です。
ナッツなどちょっとした間食を取り入れることで、空腹の心配はなくなります。
間食は健康の観点でも効果があります。
先ほどの血糖値の話に絡みますが、ご飯とご飯の間の時間(例えば昼食から夕食までの時間)が長ければ長いほど「グルコーススパイク」と呼ばれる血糖値の急上昇が起こりやすくなります。
血糖値の急上昇が繰り返されると脳梗塞、心筋梗塞のリスクが高まると言われています。
間食はこの血糖値の上昇サイクルをなだらかにしてくれます。積極的に取り入れていくべきでしょう。
まとめ
集中力のための食事として主に血糖値やGIの概念について説明しました。
血糖値を下げるよう努力することは動脈硬化を抑え、認知症の予防リスクを避けることにもつながります。
無理しすぎると低血糖の状態になり逆に不健康になってしまいますが、日頃から「この食事は高GIかな?」「これだけ食べたら血糖値が上がらないかな?」というのを度々気にする習慣をつけておくといいと思います。
朝ごはんについては以下の記事も参照してください。