仕事中のウトウトで集中できない!眠気で集中できない人にぜひ導入してほしい昼寝の習慣

仕事中のウトウトで集中できない!眠気で集中できない人にぜひ導入してほしい昼寝の習慣

午前の業務をやりきって気分転換も兼ねて美味しいランチ。
リフレッシュして帰って来たつもりがお腹がいっぱいになってついウトウト。

こんな時は「いけないいけない」と思って起きようとしてもなかなか元通りにならないものですよね。

気づいたら眠気と格闘しているうちに長時間経過してしまっていたという人も少なくないはずです。
眠気が原因の集中不足は、短時間の昼寝を取り入れることで改善できる可能性があります。
この記事では眠気が原因の集中不足を治すための昼寝(パワーナップ)について紹介します。

昼寝(パワーナップ)の効果

ランチの後は、思い切って昼寝をしてしまうというやり方は実は午後の活動で集中力を発揮するためには合理的です。
仕事をしている人は「何を不真面目な」と思うかもしれませんが、こうした「昼寝」は眠気の解消、パフォーマンスの改善に効果があることが知られています。

午後の眠気は、個人の怠惰が原因で起こるものではありません。
午後の眠気に伴う作業効率の低下は、post-lunch dip, post prandial(食事の) dipなどとして知られています1)林光緒 ・堀忠雄(2007). 午後の眠気対策としての短時間睡眠 生理心理学と精神生理学 25(1) 45-59。昔から当然のように起こるものとして認識されていたということですね。

そこで解決策の1つになるのが、昼寝です。
前述の「パワーナップ」は社会心理学者ジェームス・マース氏が1998年に提唱した概念で「15-30分程度の短い睡眠」を指します。ちなみに「power-up」と昼寝を表す「nap」を掛け合わせた造語です。「仮眠」に近いですが、ここでは短時間の昼寝と同義で使っていきます。

では昼寝は本当に効果があるのでしょうか?

昼寝の効果については、国内外問わず多くの研究がなされており多くの効果が実証されています。
具体的な効果としては、午後の眠気の解消だけでなく集中力の向上記憶力の向上なども指摘されています2)https://diamond.jp/articles/-/112221

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」でも午後の30分程度の睡眠が作業効率の改善に効果があると指摘されています。

ちなみに企業でも昼寝の効果が認められてきており、昼寝室や、昼寝の制度を導入するところも増えてきています。

UBER, Googleなど世界的な企業の一部では昼寝の習慣が取り入れられているほか、3)https://www.workersresort.com/jp/culture/napping/日本でも三菱地所などで、導入の動きがあるようです4)https://www.businessinsider.jp/post-187917

なんとなく周りが仕事をしている中寝づらいという人も、午後の仕事に集中するためと説明すれば咎められることはないと思います。逆に眠気を抱えたまま仕事をする方が、周りに対して迷惑だと思えば昼寝も積極的に行えるようになるでしょう。

思い切って明日から昼寝を取り入れてみてはいかがでしょうか。

パワーナップのルール

さてパワーナップの効果について説明して来ましたが、やみくもに寝ると寝すぎてしまったり、かえって逆効果になることもあります。
ここではパワーナップを行う上で注意しておきたいいくつかのコツについてお伝えします。

20分以上寝ない

昼寝・仮眠においては寝すぎないことが重要です。
人間の睡眠状態を表した「ヒプノグラム」を見ると、人間は40分程度たつと睡眠深度3に到達、深い睡眠状態(ノンレム睡眠)へと移行することがわかります。
ヒプノグラム
https://kaimin-times.com/rem-sleep-and-non-rem-sleep-6490より引用

その後浅い睡眠状態に戻りますが、仮眠であることを考えると、1度目の深い睡眠への移行前、つまり入眠後40分以内に覚醒状態に戻っていることが必要になります。おきた後5分程度は眠い時間が生まれる(この眠い状態が続くことを睡眠慣性とも呼びます。)ことも見越して、睡眠時間は20-30分にとどめておくといいでしょう。

座って寝る

そもそもオフィスで寝転がって寝る環境が用意されていない人も多いと思いますが、座って寝ることによって、寝すぎてしまうのを抑えることができます。

ただし座って眠ると足などがしびれることがあります。

これは体にとって負担が生じているサインでもあるのでできれば適切な姿勢で眠るのが好ましいでしょう。

眠りの環境を整える

オフィスなどでは昼寝の環境を整えづらいです。そんな中でも、良質な睡眠を確保できるようにすることで、より覚醒後のパフォーマンスが上がることが期待できます。

良質な睡眠の確保のために、昼寝用の小さい枕などを携帯しておくのは有効な手段です。西川リビングは昼寝の効果に着目し、自社でも昼寝の制度を積極的に取り入れるほか、昼寝専用の寝具を販売しています。こうしたものを活用することで良質な睡眠に繋げられるでしょう。

カフェインを摂取する

入眠3時間前はカフェインの摂取は控えた方がいいことが知られていますが、仮眠や昼寝に関してはある程度のカフェインを摂取することで「眠りすぎ」を抑える効果が期待できます。

2019年に東京大手町にオープンした「睡眠カフェ」では寝る前のコーヒーの摂取を推奨しています。

睡眠カフェを運営しているネスレはコーヒーと睡眠の関係性について注目しており、こちらの記事ではコーヒーを飲んでからの仮眠が眠気の解消、覚醒後のパフォーマンスの向上に効果があるとの結果が報告されています。

まとめ

この記事では、午後の昼寝の集中力・パフォーマンスに与える効果について説明しました。
まだ企業では「寝る」=「怠惰」という風潮があり、昼寝に関しても理解が得られていない印象があります。
しかし、昼寝の習慣化によってパフォーマンスが向上するのなら取り入れない手はありません。
ぜひ一度この機会に昼寝習慣を本格的に取り入れてみてください。

ちなみにそもそも眠くならないように食事を見直すことも重要です。
食事については以下の記事もご覧ください。

References

References
1 林光緒 ・堀忠雄(2007). 午後の眠気対策としての短時間睡眠 生理心理学と精神生理学 25(1) 45-59
2 https://diamond.jp/articles/-/112221
3 https://www.workersresort.com/jp/culture/napping/
4 https://www.businessinsider.jp/post-187917

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