【パソコン作業に集中できない人向け】知っておきたい基礎知識とお役立ちルール

【パソコン作業に集中できない人向け】知っておきたい基礎知識とお役立ちルール

仕事、特にデスクワークではパソコンを使うのがほとんど常識。
しかし実際に仕事を始めると、つい他のニュースサイトに目がいってしまったり考えていたつもりが気づいたらぼーっとしていたりといったことがあるかと思います。

集中力が続かない自分に嫌悪感を覚えたり、作業が進まないイライラを感じる人もいると思います。

ただ、パソコン作業でのこうした悩みは誰もがなり得るものです。個人の能力に関係なく、現代のデジタルが当たり前の環境、人間の脳の働きが関係して起こることなのです。
集中力を持続させるためにはこうした仕組みを理解し、予防と対策を行っていく必要があります。

この記事では、作業を始めることはできるが、いざ始めると集中力が持続しないという方に向けて、集中力が持続しない原因、さらに特にパソコン作業を行う上での集中力を維持するコツについてお伝えします。

もはや現代病?パソコン作業で発生しがちな集中力の崩壊

パソコン作業における集中力の欠如は現代病とも言えます。
医学博士ハロウェル氏は著書「ハーバード集中力革命」(エドワード・M・ハロウェル著 小川彩子訳 サンマーク出版)の中でADT(注意欠陥特性)を持つビジネスパーソンの存在について指摘しています。
ADTはADD(注意欠陥障害)ADHD(注意欠陥・多動性障害)などの発達障害を踏まえた筆者の造語です。簡単に言えば、ADHDのレベルではないものの、ADHDと似た注意欠陥の傾向がある状態を指しています。

ADT自体は障害というレベルのものではありません。しかし、集中力が持続しない、じっとしていられない、作業中に入ってくる膨大な情報の刺激に耐えられないなどADHDに似た特性を示します。「ハーバード集中力革命」ではいくつかの基準などについても書かれていますが、明確な線引きは存在しないのでパソコン作業などで集中力の欠陥を自覚している人はADTの可能性があると言えます。

ADTについては定量的な調査は行われていませんが、米国ではADHDの患者数が増加しているとのデータもあり、現代のデジタルコンテンツにあふれた暮らしが、私たちの集中力や注意力に影響を与えている可能性は否めません。

発達障害とADTとの個人では明確な線引きは難しいと言えます。ADHDの可能性に触れると、「自分も発達障害なのでは?」と不安に感じる人もいるかと思いますが、焦って決めつけるのは禁物です。自分はADHDの傾向があると決めつけてしまうとそうしたセルフイメージがかえって傾向を助長することになりかねません
もしどうしても不安であれば専門の心療内科などを受診してみるのもいいと思います。

集中力が続かない原因は脳が勝手に始める「連想ゲーム」

パソコンやスマホなどの現代の暮らしのツールが注意力に与えている影響の可能性について書きました。

ではそもそもなぜパソコン作業をしていると注意散漫な状態に陥るのでしょうか。

それには脳の仕組みが関係していると考えられます。このあたりの話は、「ヤバい集中力 1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45」(鈴木祐 SBクリエイティブ)に詳しく書かれています。この章では概要を抜粋して書きます。
これはそもそも注意散漫を引き起こす原因となる大脳辺縁系の処理が、並行処理が得意だというところに起因していると思われます。

関連するキーワードに引き寄せられて注意が散漫になっていく様は連想ゲームに似ています。

例えば仕事でリモートワークについて調べるというタスクがあったとして、

「そういえばコロナウイルスが原因だったな」
「コロナウイルスってどんなウイルスなのかな」
「そういえばこの前飲んだコロナビールはおいしかったな」

など作業と並行してどんどん思考が飛び移っていくために集中力が保てなくなってしまうのです。
気づいたらブラウザのタブがたくさん開いていた経験がある人は思い当たる節があるのではないでしょうか。

「連想ゲーム」を防止するためのパソコンルール

パソコン作業で集中力を持続させるためにはこうした「連想ゲーム」が始まるのを予防する必要があります。
これにはセルフコントロール能力が必要になりますが、これは一朝一夕に身につくものではありません。
そこで、次に考えるべきは外部からの刺激を極力減らすことによる注意が移りづらい環境づくりです。
ここでは誰もが簡単に行える、ちょっとしたパソコン作業の環境づくりについて紹介します。

タブを開きすぎないようにする

パソコン作業で調べ物は不可避。しかし検索を行っているとだんだん芋づる式に調べることが出てきて気づいたらタブがたくさん開いていたという経験がある人は少なくないでしょう。一度調べた内容を保存しておきたい気持ちが働くことによるものですが、これは気が散る原因になります。

そこでタブを簡単に整理できるツールを導入することは極めて有効です。

OneTab」は一度大量に開いてしまったタブをワンクリックで一つのタブ内に集約してくれるGoogle Chromeの拡張機能です。単純に削除するだけでなく、一つのタブ内でリスト化してくれるので、あとで参照したくなった時にも安心です。

「開いているタブが多くなってきたな~」と思ったら1クリックする習慣をつけておくと、注意の散漫が予防できます。

使い方はシンプルなのでおそらくわかると思いますが、インストールの手順・使い方など詳しくは以下の記事をご覧ください。

デスクトップをこまめに整理する

タブが多くなってしまう人と並んで、複数の仕事をこなしているうちにデスクトップがファイルやフォルダでいっぱいになってしまっている人も多いと思います。

こうしたファイルやフォルダが煩雑な状態は、ファイルを探したりする不要な作業を増やしてしまう上に、目についたものに注意が飛んでしまう原因になります。

こちらもこまめに整理しておく癖をつけたほうがよさそうです。もちろん仕事中に整理をするのは本末転倒なので、休憩時間や、集中力が切れてしまった時に時間を区切って行うと良いでしょう。

デスクトップに限らず、デスク周りが汚い人も、同様に整理する癖をつけておくことで集中力が失われることを予防できます。

画面をこまめに消す

画面をこまめに消して刺激を定期的にシャットアウトするのも有効です。
作業中のパソコンの画面を消す際には「Windowsのマーク+ L」のショートカット(MacではCtrl+Command+Q)を覚えておくと良いでしょう。
最近ではセキュリティの観点からも画面ロックが推奨されています。
時間を区切って作業をして、時間がたったら画面をロックして小休憩というサイクルは私も取り入れています。

まとめ

この記事では以下の3つについて述べました。

  1. 現代病としてのADT(注意欠陥特性)
  2. 集中力の低下を引き起こす脳の仕組み
  3. 集中力の低下を予防するパソコン作業のコツ

集中力が続かない原因についてはストレスや睡眠不足など習慣的な要素も含めて、他にも原因が考えられます。
あまり先入観を持たずに、いい習慣を取り入れる姿勢でいるとよさそうです。

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