ホルモンって何?ホルモンと神経伝達物質は同じ?混同しやすい用語を分かりやすく解説

ホルモンって何?ホルモンと神経伝達物質は同じ?混同しやすい用語を分かりやすく解説

集中力について調べていると、ホルモンの働きとの関係が数多く指摘されています。

アドレナリンドーパミンといった名称は聞いたことがある人が多いと思いますが、実際それがなんなのか、どういう働きをしているのかについては明確に答えられない人の方が多いのではないでしょうか。

また神経伝達物質ホルモンなどの用語も素人には違いが分かりにくいと思います。

この記事では、ホルモンとは何か、ホルモンの種類にはどんなものがあるかについて解説し、ホルモンと似た用語である神経伝達物質についても説明します。

ホルモンって何?

そもそもホルモンってなんなのでしょうか?

焼肉で見かけるホルモン焼きは、腸などの内臓肉を表すのでもしかしたら何か物体的なものを想像している方もいるかもしれません。

ホルモン焼きのホルモンは、ここで説明するホルモンとは無関係です。

ちなみに肉のホルモンについては、滋養強壮に聞く物質が内臓に多く含まれていると考えられていたことによるという説や、食用の肉の余りとして捨てる部分なので「放るもん(大阪弁で捨てるもの)」から取られたという俗説などがあるようです1)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%B3%E7%84%BC%E3%81%8D

話を元に戻しますが、ここで扱うホルモンは、体の内分泌腺から分泌される(出される)、体の働きを調整する化学物質を指します2)https://www.google.com/search?q=%E5%88%86%E6%B3%8C&oq=%E5%88%86%E6%B3%8C&aqs=chrome..69i57j0l7.1852j0j7&sourceid=chrome&ie=UTF-8

ホルモンは血液中に排出され、血液を媒介して体の各部に運ばれ、体の機能の制御や調整に効果を発揮します。

ホルモンは体の働きを制御・調整する化学物質のこと

内分泌腺ってどこにあるの?

ホルモンは内分泌腺から出されると書きました。

内分泌腺はどこにあるのでしょうか。

ホルモンを出す内分泌腺があるのは、体の中でも以下のような場所です。

  1. 視床下部
  2. 下垂体
  3. 甲状腺
  4. 副腎
  5. 膵臓
  6. 腎臓
  7. 消化管
  8. 卵巣/精巣
内分泌腺のイメージ
https://www.kango-roo.com/sn/k/view/2349
より引用

後にも書きますが、ホルモンは脳が出すものとは限らないという点をここではお分かりいただければと思います。

それぞれの部位がどんな物質を分泌しているかはこの記事では割愛します。興味のある方はWikipediaに詳しくまとまっていたので合わせて参照してみてください。

ホルモンは脳が出すものだけを指すのではない

ホルモンは具体的にどんなものがあるの?

ホルモンが体の機能に与える働きや効果は、分泌されるホルモンの種類によって異なります。

ホルモンは化学構造によって以下の3つの種類に大きく分けられるようです3)https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1709(※文献によって多少の記述の違いが見られましたがここでは分かりやすく3つのものを紹介します)。

  1. ペプチドホルモン
  2. ステロイドホルモン
  3. アミン(型ホルモン)

ペプチドホルモン

ペプチドホルモンはアミノ酸から作られるホルモンです。

有名なものだと身長を伸ばすホルモンとして知られる、成長ホルモンや血糖を下げる働きがあるインスリン、「愛情ホルモン」と呼ばれるオキシトシンなどがこれにあたります。

アミン

アミンもアミノ酸から作られるものです。

気分が高揚した時に出るアドレナリンノルアドレナリンや、やる気のもとといわれるドーパミンがこれにあたります。

ステロイドホルモン

ステロイドホルモンはコレステロールから作られるホルモンです。

女性らしい体を作る働きをするエストロゲンなどがあります。

ホルモンにはさまざまな種類があり、化学構造によって大きく3つに分類される

ホルモンと神経伝達物質

ホルモンとは何かについて説明し、ホルモンの種類を簡単に紹介しました。

ここで、ホルモンと紛らわしい言葉に「神経伝達物質」があります。

実際web上だと混同して使われているサイトも散見されます。例えば以下のような記述です。

私たちの脳内では様々なホルモン(脳内物質)が分泌され、それに応じて身体や精神のパフォーマンスが左右されています。「なんとなく調子が良い(もしくは悪い)」とき、そこには少なからず脳内物質が関与しているのです。

https://careersupli.jp/lifehack/nounai/より引用

ここまでの説明を見ると、「ホルモン≠脳内物質」ということはお分かりいただけると思います。ホルモンは脳で分泌されるとは限らないからです。

それでは「ホルモン」と「神経伝達物質」はそれぞれ全くの別物なのでしょうか?

結論から言うと、ホルモンと神経伝達物質は別物ですが、性質がよく似たものだと言えます。

違いとしてはホルモンはあらゆる細胞に血液を媒介して接触・興奮させるのに対し、神経伝達物質は神経細胞に対して興奮させるものだということです。

脳内で働くホルモン的な働きを持っていることから神経伝達物質は「脳内ホルモン」とも呼ばれます。

進化の過程ではどちらも同じ起源を持つようです。そのためよく似ているのですね。

混同されやすいのもうなずけます。

神経伝達物質は神経細胞に対して働く「脳内ホルモン」

まとめ

この記事ではホルモンとはなにかについて紹介し、ホルモンの種類神経伝達物質との違いについて説明しました。

集中力に関係するホルモンを語る時、それは脳の中で働く「神経伝達物質」を指すと理解しておくと早いかと思います。

神経伝達物質は栄養サプリなどとも関係のある話題です。以下の記事も参考にしてみてください。

References

References
1 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%B3%E7%84%BC%E3%81%8D
2 https://www.google.com/search?q=%E5%88%86%E6%B3%8C&oq=%E5%88%86%E6%B3%8C&aqs=chrome..69i57j0l7.1852j0j7&sourceid=chrome&ie=UTF-8
3 https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1709

用語カテゴリの最新記事